府中緊急派遣村

突然の解雇、退職強要、名ばかり管理職、サービス残業、生活保護申請、生活相談など、お気軽にご相談ください。住所、連絡先等はhttps://fuchuhakenmura.hatenablog.com/entry/10931955

生活保護費削減への緊急意見表明と署名

生活保護費削減への緊急意見表明と署名


 私たちは、生活保護費の切り下げに反対します。生活保護制度は憲法25条に基づく「人間の生存権」であり、健康で文化的な生活の最低限度を誰もが営む権利です。
 その「最低基準」を、政府が上から決めて切り下げるのは憲法違反です。
 ここに私たちのこれまでの活動実績に基づいた意見を表明するともに、賛同署名を添えて提出致します。
 生活保護の基準はこれまでも長期に切り下げ改悪が続いてきました。特に今回の切り下げは、生活保護制度の問題だけにとどまらないすべての人々に悪影響をもたらします。
1.理由に最大の問題有り
厚労省があげる理由に「貧困家庭で生活保護の基準以下で暮らしている人がいる」という理屈があります。しかし、憲法が定める最低限度以下の生活をがまんして暮らしている人がいること自体が大もんだい!なのです。
 その上、生活保護の基準以下の暮らしを強いられている人の内8割は生活保護の制度を知らす、あるいは門前払いされ、あるいは必死にがまんしています。生活保護の補足率が2割でしかないのが大もんだい!なのです。
2.切り下げは利用当時者だけの問題ではなくみんなのもんだい!です。
 生活保護基準が下げられると、それを根拠に決められる住民税の非課税基準を下げられます。そうすると当然ギリギリで生活している人が課税されいっそう苦しくなります。また、保育料や介護保険負担分も上がることになります。貧困の連鎖がいっそう拡大される大もんだい!なのです。
3.生活保護から「はいじょ」されます。
 小池都知事じゃないですが、年金や賃金の安さからかろうじて生活保護で医療や家賃が払えて最低限度の暮らしを維持できていた人が、生活扶助基準の切り下げにより、年金や賃金の合計が基準を上回ると生活保護から「はいじょ」されてしまいます。つまり医療は国民健康保険、家賃は自前、その他水道代やNHK受診料などさまざまな自己負担がかぶさり、とたんに年金貧乏、労働貧困になる大もんだい!です。
4.これは派遣労働者やパートなど不安定雇用で働く多くの労働者の問題です。
 いかなる働き方でもその地域の最低賃金は、最低賃金法で決められています。現在は、生活保護の基準以上にしなければならないことになっています。働いても貧しい、ネットカフェ難民と言われる労働の貧困をなくすためにも日本の最低賃金は雇う側のためにあり、労働者の実情に合わない最低の賃金です。
 今回の切り下げで、最低賃金の基準も下がる大もんだい!なのです。
5.高齢、多様な生き方社会に逆行する問題です。
 高齢化社会のなかで生活保護を利用する高齢者も利用者の半数を超えています。その方たちに切り下げを強行することは、高齢者いじめであり、飯も食うな、医者にも行くなと強要するのと同じ大もんだい!です。また、今回はお子さんと共に生きる家庭に切り下げを強行します。少子化対策とか幼児教育無償化などと言いながら実際は母子加算を減らし、基準を下げる。これでは、ますます、生活保護を活用せずダブルで働き、子どもと一緒にがまんする貧困家庭も増える、つまり補足率も下がる大もんだい!です。

 以上問題点をあげましたが、反対するだけではなく私たちの9年間の活動結果から、厚労省に政策化してほしいことを提案します。
1.生活保護利用者の孤立を防ぐ施策を拡大強化してください。医療からの孤立、地域かららの孤立、介護保険や他の福祉制度からの孤立など、福祉行政の貧困や小田原ジャンパーに現れる差別と会わせ、生活保護利用者の多くは、肩身のせまい思いをしてひっそりと生きています。孤独死も続いています。そうした孤立が、酒やギャンブル依存につながることもあります。
2.生活扶助、家賃扶助は低すぎます。基準を上げてください。奪った母子加算や冬期加算などを復活拡大すると共にエアコン代など夏期加算もしてください。
3.上からの就労指導をやめ、本人の健康や意向に添う働きや、「働けない」気持ちに至る経緯や心情を理解できる寄り添いをしてください。福祉事務所として社会的労働や職場作りができる施策を専門部署を作り運営してください。
4.生活保護利用する方のなかには、学校や企業になじめず、要領よく世間を渡ってこれなかったまじめな方が多いです。メンタルな支えを地域でできる施策を予算付けも含め豊かにしてください。
5.役所の人事でも福祉事務所の人気は最下位と聞きます。一人の職員が担当する利用者は80人とされる基準が120人ともそれ以上とも聞きます。困難を共に生きる福祉事務所の価値と独立性を高めると同時に他福祉との連携を強化する施策を予算付けと共に拡大してください。
6.最後に、今回の切り下げが、他の増税とのバランスや、ミサイルや武器を大量にトランプから買い付けるための福祉切り捨てであることから、私たちは、生活保護利用者や困窮者と連帯して福祉と平和を強く大きく求め、活動を広めていくことを表明します。

2017.12.16(土)17(日) 府中緊急派遣村 年末困り事相談&炊出し会場にて
〒183-0006 東京都府中市緑町2-15-8 梶ハイツ101