府中緊急派遣村

突然の解雇、退職強要、名ばかり管理職、サービス残業、生活保護申請、生活相談など、お気軽にご相談ください。住所、連絡先等はhttps://fuchuhakenmura.hatenablog.com/entry/10931955

第6回年末困り事相談会開会宣言

年末困り事相談会 開会宣言
府中緊急派遣村 第6回 2014年12月13日(土)~14日(日)
府中公園テント村

 平和と人権、労働と生活の課題を地域に根を張りながら草の根活動を続けてきた私たちにとって、見上げる社会の様相にただただぼう然とするばかりです。かつて、戦後議会制民主主義を虚構と疑問視し、企業内労組の統一を壮大なゼロと批判した私も、ここまですべての民意が圧殺される状況を想像しませんでした。まさに痛恨の極みです。
 集団的自衛権特定秘密保護法、沖縄辺野古基地強行、武器輸出拡大、福島忘却の原発推進朝鮮学校排除など排外政策、派遣法改悪、生活保護切り下げ、貧困ビジネス化した税制度など、安倍政権は危険な政策を混ぜ合わせ改憲へと向かうアベノミキサーです。格差拡大は、貧困の広がりと共に、教育、文化に及び、品性下劣な政治を蔓延させています。
 困り事、悩みを抱えている人は、事故責任と叩かれ、家庭、職場、地域で孤立し排除されています。民主主義の崩壊は人間性をむしばみ、みんなが「安心や安全を振り上げ、仲良くすべき隣人に攻撃的になり、安心安全の対局にある戦争前夜へと向っています。
 しかし、絶望の淵にある私たちは、なお希望を捨てません。
 困っている、悩みを背負う優しき人びとに寄り添い、生活と労働の課題を地域で日常化する派遣村を続けます。やがて、優しき人間の営みと魅力は横につながり草の根を太くし、草の実となり、連帯は拡がり、地域を越えて国際化してゆきます。
 菅原文太さんは沖縄で翁長現知事を応援し、「沖縄の海も空も砂浜も国家のものではありません。そこに暮らす人々のものです。政治家の責任は、飢えさせないことと戦争をしないことと訴えました。文太さんは50代のころに、身よりのない在日韓国・朝鮮人の老人ホームの建設に奔走したそうです。まさに人間の魅力です。
 私たちは、人間が大好き、自然が大好きを合い言葉に、疲れ、傷つき、倒れる人びとと共に、ここ府中公園につどいます。2009年末から6回連続する年末困り事相談会をはじめます。開会にあたって多くのご支援、ご協力をいただきました。国立市国分寺市府中市生活保護担当課からは、炊き出し物資のアルファ米をいただきました。2日間のカレーライスや牛丼になります。
 さらに、生活保護の仲間、支援の市民の皆さんから多大なカンパやお米の提供をいただきました。私たちの無償の努力が無力ではないと実感しています。
 府中診療所の看護士さんが健康相談を受けてくださいます。
 東京三弁護士会多摩支部の「貧困対策プロジェクトチーム」の弁護士さんをはじめ、活動を共にする弁護士さんたち7人が手弁当で法律相談を受けてくださいます。
 三多摩の地域で課題を共にする国立派遣村、狛江派遣村、多摩・多摩川com、立川サンンキューハウスの仲間たちも、ご一緒します。そして、何よりも心強いのは、野宿からアパートに入り「今度は助ける番」とテント張りから炊き出しまで準備した仲間たちです。貧困の連鎖から助け合いの連鎖へと転換する希望の力です。いかなる人間もやり直すことができると信じる源です。
 私たちは悩みのガス抜きではありません。悩む方が望むなら解決をとことんご一緒します。明日の片付けが終わりではなく、解決の始まりとなるよう、みんなで楽しく事故なく風邪ひかず、優しい社会のあるべき姿を相談会場に体現しましょう。

2014年12月13日 府中緊急派遣村村長 松野哲二