府中緊急派遣村

突然の解雇、退職強要、名ばかり管理職、サービス残業、生活保護申請、生活相談など、お気軽にご相談ください。住所、連絡先等はhttps://fuchuhakenmura.hatenablog.com/entry/10931955

府中緊急派遣村労働組合結成アピール

府中緊急派遣村労働組合結成アピール

 100年に一度と言われる恐慌が猛威をふるい、多くの人が路頭に迷うと言われた昨年の暮れ、東京都日比谷に年越し派遣村が出現しました。そこに相談に来たりご飯を食べに来た人は500人を超えると言われています。その後、スタッフの協力もあり生活保護申請などに関してはほとんどの人が解決した、というのは皆さんもご存知のことと思います。
 私たちは年越し派遣村に触発され、また2009年問題をにらみ、地元である府中市で何かできないかと府中市在住・在勤の有志の個人で2月の末に府中緊急派遣村を立ち上げました。それ以降、電話やメールなどの相談に対応し4月18日、19日には三多摩大相談会と銘打ち、府中公園で相談会を行いました。相談の内容は、生活に関するもの、労働に関するもの、医療に関するものなどさまざまで、合計57件も寄せられました。そのうち幾つかのものについては労働組合が必要なものがあり、府中緊急派遣村労働組合を結成するに至りました。
 私も日比谷の派遣村にボランティア参加した1人です。参加した友人に聞いた話ですが、「派遣村なのになぜ野宿労働者がここにいるのか」といった発言が聞かれたそうです。また、あるマスメディアでも同様の主張が載っていたと聞きます。この情況下で、困窮し喘いでいる人たちが繋がるきっかけをつかむことを阻むようなことをする人たちがいることは残念でなりません。
 また、先日寄った本屋では、海外の貧困国を挙げて「日本の格差は大した事ない」といった趣旨の内容がオビに書かれた本を見つけました。いわば絶対的な貧困を持ち出すことで日本の情況を相対化している。遠い国の貧困に想いを向け、それに関して可能な人たちが可能な限りでできることをする。それも大切なことの一つです。けれども今の私たちの情況がすぐ変わるわけではありません。北九州で、生活保護を受けられずおにぎりを食べたいと書き残して死んでいった人は帰ってこないし、派遣切りで路頭に迷う人がいなくなるわけではありません。このままでは増える一方です。私たちの周りには明日にも家をなくしてしまう人たちがいるのです。
 府中緊急派遣村労働組合は、この情況下で困っている人たちが共に闘うための一つの道具です。誰でも加入することができます。そこにいる人たちは、助ける人と助けられる人といった関係ではなく、ともに企業と闘っていく、そしてともに派遣村運動を作っていく、そういった関係で繋がっている人たちだと思います。私たちの生きる権利を、尊厳を踏みにじるものに対してはとことんまで向っていきます。
 共に闘いましょう。


2009.5.25
府中緊急派遣村労働組合