府中緊急派遣村

突然の解雇、退職強要、名ばかり管理職、サービス残業、生活保護申請、生活相談など、お気軽にご相談ください。住所、連絡先等はhttps://fuchuhakenmura.hatenablog.com/entry/10931955

09年12月12日-13日 年末大相談会報告

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 12月12日(土)、13日(日)の2日間にわたり、府中緊急派遣村は「年末大相談会」を府中駅前のグリーンプラザで行ないました。
 2日間で訪れた相談者は20名、ボランティアスタッフは55名が駆けつけ、カンパは2日間で約9万円、そのほかお米が40キロ以上など多くの物資カンパが寄せられました。

 今回の相談会は、前回4月相談会に比べて、非常に困難な条件のなかでの相談会でした。
 府中市が名義後援を拒否したばかりでなく、前回4月の相談会の時に使った府中公園を使用不許可としたため、やむなく駅前の屋内施設グリーンプラザの複雑な配置の会議室にせざるを得ませんでした。会議室は7階になるため、私たちは、グリーンプラザの外で途切れることなく情宣を行い、相談者を案内・誘導しました。また、グリーンプラザは調理室がなく、火も使えないため、炊き出しの調理は300m離れたボランティア事務所で行い、相談会の会場まで運搬しなければなりませんでした。
 今回の相談会は、相談室で落ち着いた相談を行ないながら、外での情宣・案内係、炊き出しのための調理係、そしてそれを運ぶ運搬係など、2日間にわたり分散した体制をとりながら力を合わせてやりきりました。
 とりわけ、屋内施設であるグリーンプラザの7階にある相談会場にどうすれば、相談者が気軽に足を運べるのか、ということに腐心しました。
 相談会の受付をグリーンプラザの外、けやき並木に机を置いてつくりました。迷いながら相談に来た人に付き添いながら7階の相談室まで案内しました。2日目の炊き出しも、けやき並木の受付で行ないました。できるだけ多くの人に相談会を知らせよう、と市内の練り歩きもやりました。チラシ及びパンフは、2日間で1500枚以上配ったと思います。通りがかりの多くの方が、カンパ箱にカンパを寄せてくれました。 

 今回の2日間の20人の相談者は、数としては前回4月の相談会の57件の相談に比べると少ない結果に終わりました。しかし、今回の相談会は、4月相談会以上の数多くの豊かな経験を私たちにもたらしました。4月のときに相談した当事者が、自主的にスタッフとなり、炊き出しや情宣活動、受付係、案内・誘導の係を率先して引き受けてくれました。北風が吹く寒い中を1枚でも多くの人にチラシを手渡そうと、一人でどんどん遠くまで配りに行ったSさん。相談会の会場には顔を出さずに、炊き出しの仕込を黙々と引き受けてくれたCさん。炊き出しの調理の味付けから情宣係、相談会場の案内係まで一人で何役も奮闘してくれたTさん。就活中のAさんは、リクルートスーツ姿で1日中情宣に立ち、「派遣村はけっして見捨てません!」とマイクで訴えました。「派遣切り」解雇撤回を勝ち取ったYさんは、マイクで自分の経験を切々と話してくれました。同じく解雇撤回を勝ち取ったOさんは、子連れで相談会の受付を引き受け、初めて訪れた相談者の緊張をほぐしてくれました。
 みんな、派遣村に助けられた経験をもとに、今度は自分が助ける側に立ちたい、役にたちたい、という思いで今回の相談会に集ってくれました。「救う」-「救われる」という一方的な関係ではなく、派遣村には、「困ったときはお互いさま」、同じ仲間としての助け合い、連帯のきずながつくられつつあるのではないか、と思います。
 また、今回の相談会には、今までになく幅広い支援者が集まりました。弁護士、社労士の他に、労働相談の経験豊富な労働組合役員や専門的経験をお持ちの方々が相談員としてスタッフに加わっていただきました。その意味では、いままで以上に密度の濃い、ていねいな相談ができたのではないか、と思います。

 政権交代で、貧困や格差の問題に画期的な解決策が打ち出された、とは誰も言えないでしょう。「派遣村の再来を阻止する」と民主党政権は力んでいるようですが、実際は昨年以上に雇用情勢、生活困窮などの深刻さは増していると思われます。
 残念ながら、私たち府中緊急派遣村はまだ解散の時期が来ている、とはとても言えない状況です。むしろ、小なりといえども府中緊急派遣村の必要性がますます求められていることを強く実感します。
 私たちは、今回の相談会-きわめて困難な相談会の中でこそ、派遣村運動の可能性と団結の力を確信することができました。

  府中緊急派遣村は、自力・自前で、当事者もスタッフも同じ目線で、1人でも困っている人がいれば、自分のこととして親身に相談に乗り、不当なことには全力で怒り、行動する、そういう身の丈に合った活動を今後も続けていきたいと考えます。
 私たちは、今、府中緊急派遣村の旗をつくろうとしています。その旗には次のスローガンが書かれる予定です。「一人は万人のために、万人は一人のために」

 今後とも、みなさまのご支援・ご協力・ご参加をよろしくお願いします。

<今回の主な相談例>
ケースⅠ…地方で「派遣切り」され、都内で生活保護申請をしたが、施設に入れられ、手元に1万円しか残らず、生活費も底をついて、就活もままならなかった。
ケースⅡ…ハローワークで「ワンストップサービス」を利用しようとしたが、説明されただけで追い返されてしまった。


PS.12日にNHK首都圏ネットワーク」の取材、13日にTBS「朝ズバッ」の取材がありました。今後、報道される予定です。乞うご期待ください。